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村上かつらブログ

入江悠監督「サイタマノラッパー3」

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脱稿後数日間というのは、
追い込み期に脇に払っていた雑事が
借金の取り立てのようにどどーーとやってきて、
原稿中とはまた別の慌ただしさ。とほほです。



が、それらをぜんぶうっちゃって、観てきたよ、
「SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者」。



この4月に観た映画が、
 スターウォーズ3D
 タイタニック3D 

そしてサイタマノラッパー3


です。笑




じつは、この作品のとあるシーンに、
うちのアシさんがエキストラとして参加しています。



アシさんと言っても、
現在、東京でお手伝いしてくれているアシスタントさんじゃなくて、
京都時代にお世話になった、関西在住のアシスタントさん。
つまり、彼女は、このエキストラ出演のためにだけに自腹で、埼玉のロケ地まで行ったのでした。
(そんな人ばかりが全国から2000人集まったらしい。)



彼女、Hちゃんは、わたしが以前このブログのエントリで、
サイタマノラッパー2のことを書いたのを読んでくれていたようで、
「一緒にエキストラに出ましょうよ!」と誘ってくれたんだけど、
残念ながらその時は予定が合わなかった。



半年後の今、できあがった凄いものを観て、ものすごく後悔している。

・・・あの場に・・・居合わせたかった・・・




それで、映画を観終わってすぐに、
Hちゃんに「どこに出てた?」とメールを送ったら、なんと、
「いま、東京に向かう夜行バスに乗ってるんで、会いませんか?」という返事が。
タイムリーすぎ!
というわけで翌日、新宿三丁目で待ち合わせて、撮影の時の話を聞いた。




エキストラ募集の時点では、
「フェスのシーンです」とだけ書いてあったらしく、
Hちゃんは、よくわからないまま参加したらしい。



「全編通して観て、初めて、あんなフェスだって知りました(笑)。」



「伝説の15分長回し」のリテイクはやはりすさまじかったらしく、
最初の撮りでは、集団の後方にいたHちゃんだったけど、
夜も更けるにつれ、だんだん参加者の人数が減ってきて(終電などの関係で)、
遂には最前列まできてしまって、ちょこっと映っているらしい。



「○○が目印です。隣にいます。」と教えてもらったので、これは、
シネクイントの半券を握りしめて、もう一度観に行かなきゃだ。




「長い”待ち”の間に、
 征夷大将軍のみなさんがステージでパフォーマンスを見せてくれたり、
 すごく楽しかったです。」



と聞いて、わー貴重!それ見たかった! って思ったら、
その時の様子が、めちゃふつうにyoutubeにあがっとるやないかーー!



そういえば、「2(女子ラッパー)」のイベントに行ったときも、入江監督が客席に向かって、
「写真撮っていいです!どんどん、お持ちの媒体に流して下さい!ツイートして下さい!」
って言ってたのを思い出した。



■ ■ ■ ■ ■



ちょっと前に「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」という本を読んだ。



グレイトフル・デッドは、アメリカ西海岸で生まれたバンドで、
40年以上前から、ファンに自分たちの音楽を無料で開放している。
ツアーの音楽は録音してコピーし放題。
(より良い音質で録音できるよう、ライブ会場には、
 ファンが録音機をセットするための場所=「テーパーセクション」が設けられている!)



ファンは、自作のカセットテープを、これまた思い思いのイラストで飾り、
ファン同士で交換したり、
まだグレイトフル・デッドの音楽に触れたことのない友人に贈ったりする。

まさに「フリー」であり、「シェア」の走りだ。



たいていのロックライブは、綿密に調整され、同じプログラムを繰り返すが、
グレイトフル・デッドは、まったくの台本なし。
演奏する曲のセットはライブごとに異なり、同じ曲でも演奏の仕方が異なる。
ミスをしても、途中で止めても、特に気にせず、新たに弾き直す。
そんな彼らをファンは理解し、「グレイトフル・デッド」体験の一部として受け入れる。



グレイトフル・デッドにもPR担当者やマネージャーがいたが、
メンバーはファンとの親密さを保ち続けた。
ツアー情報は、マスコミより先に、まずファンに知らされる。
チケットは販売会社に委託せず、独自のチケット代理店を立ち上げた。
手間は掛かるが、一番いい席は、ダフ屋のまとめ買いなんかじゃなく、
その手間を惜しまぬ一番熱心なファンの手に渡る。



結果、多くのバンドが、支持を失ったり、解散したりしていった中で、
グレイトフル・デッドは、同じメンバーで70年代、80年代、90年代と
活動を続け、新しいファンを増やして行った。
帯文には、ビートルズよりストーンズより儲けてしまったバンド、とある。
そう、ライブは録音OK、音楽は無料できき放題でありながら、
彼らは、ツアーを中心に年間5000万ドルも稼ぐのだ。



(以上、本文を引用しつつ、使い勝手良いようにいじってます、が、
 この本なら許してくれるであろう・笑)





コンテンツの管理を厳しくせず、開放することで、まずは知ってもらい、
さまざまな体験に巻き込み、熱心なファンを育てていくこと。





これは、同じ時期に立て続けに読んだ、

「なんでコンテンツに金を払うのさ」岡田斗司夫・福井健策
「情報の呼吸法」津田大介

に書かれていた、ネット時代のエンターテイメントのあり方とも共通する。

「グレイトフルデッドにマーケティングを学ぶ」は、その具体例の玉手箱だった。




そして今、「わたしにとっては、まさに、これなんじゃないか?」と思ったのが、
一連の、「サイタマノラッパー」体験。



この映画を観た者同士でちょっとした合い言葉になっているのは、


「誰に会った?」


そう、「サイタマノラッパー」シリーズで、1から通して共通しているのは、
劇場に行くと、出演者・スタッフの誰かに会える、こと。
(どのくらいの確率なのかは、定かではないのだけど。)


ちなみに、初日を観に行ったHちゃんは、
ロビーでマイティさんと回鍋肉さんと一緒に撮った写真を見せてくれた。
わたしが行ったときは、入江監督と極悪鳥のお兄さん(素顔は優しそう!)を確認できた。
死んだはずのTKD先輩との遭遇率がやたら高いのも笑える。なごむ。



もちろん、サイタマノラッパーの本編もグッズも、
フリーではなくふつうに有料なのだけど、
払う側は、少しでも制作費(持ち出し)の足しになれば・・・という感覚。




「権力が嫌いで、ファンに自立した行動を奨励していたグレイトフル・デッド」と
「彼らの”偽りのない本物らしさ”に親しみを感じていたデッドヘッズ」


この関係性は、わたしにとって、
「サイタマノラッパー」シリーズに置きかえることができるのだ。



彼らが、作品のために、ファンのために、自然体でやっていることが、
これからの時代のビジネスモデルにぴたりと当てはまる、なんて、書いても、
「ぜんぜん採算合ってねんだYO!」って、鼻で笑われちゃうかもしれないけど。

作品そのもの、在り方、取り巻く状況も、
すべてにワック♪ワック♪しながら、応援しています!
伸びろグンググーーン♪




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    真ん中の、手描き風CD(伝説のTKD先輩のトラック)は、
    サイタマノラッパー1のときに、劇場の出口で、
    IKKUさんが手渡しで配っていたもの。
    右上のピンクのCDは、2のイベントで前売り券を買ったら、
    もれなくついてきたもの。
    こういった草の根運動が、着実に実を結んでいる・・・!


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   こんな本です。。。字がでかいのですぐ読めます

  1. 2012/04/20(金) 23:47:04|
  2. 映画・展覧会
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